妖精にはさまざまなさまざまな種類があり、名前と特徴を持っています。
また、独自の役割や物語があるのです。
以下に、主な妖精の名前とその特徴、役割を挙げますね。
妖精の持つ独自の特徴と物語とその背景や伝承について詳しく解説します。
昔話などにも登場する妖精たち。
なかなか深い言い伝えの妖精たちは、人が生きていく上で、何らかのエールを感じ取って生きてきた伴走者でもあるのでしょう、また見えない世界の存在としてロマンという一つの世界観も作ってきたとも言えるでしょう。
ケルト神話由来の妖精たち
1. ティターニア (Titania)
ティターニアは妖精たちの女王であり、森や自然の精霊たちを統率するの自然界を統治し、豊穣や調和を象徴し、妖精界における母なる存在と考えられています。
彼女の名前はシェイクスピアの『夏の夜の夢』で広く知られるようになりました。美しく気高く優雅でありながらも、気まぐれな性格を持ち、誇り高い一面もあります。
劇中では、妖精の王オベロンと激しい口論を繰り広げ、魔法によって人間の姿の男性を愛してしまう場面が描かれています。
象徴: 愛、美、自然の調和。
2. オベロン (Oberon)
オベロンは妖精の王であり、ティターニアの夫として語られることが多いですが、時には単独で強大な力を持つ存在として登場します。
彼は賢く、妖精たちの世界を統率する立場にありますが、時に人間を試すようないたずらをすることもあります。
『夏の夜の夢』では、彼の命令によって妖精パックが恋愛の魔法を使い、物語に混乱を引き起こします。
知恵深く、時にいたずら好き。物語の中では、人間と妖精界をつなぐ役割を果たすこともある。
このように、異世界と人間世界をつなぐ橋渡し役ともされ、古くから魔法の支配者、妖精の王として崇められています。
象徴: 支配、調和、魔法の力。
3. ピクシー (Pixie)
ピクシーは、小さくて可愛らしい妖精で、イギリスのコーンウォール地方やデヴォン地方の伝承に登場します。
彼らは森や丘、花畑に住み、青や緑の服を着ているとされています。
ピクシーは陽気で、人間にいたずらを仕掛けることが多いですが、時には道に迷った旅人を導くなど善良な一面もあります。
ピクシーのような妖精は、自然界での日々の生活に、楽しいお話を垣間見せてくれてきたことでしょう。
また、彼らの踊る輪(ピクシーリング)が地面に現れると、その場所には強い妖精の力が宿ると信じられています。
象徴: 自然の喜び、いたずら心。
4. シーリー・コート (Seelie Court)
シーリー・コートは、善良な妖精たちの集団を指します。
彼らは人間に対して友好的で、正義感が強いとされています。
しかし、彼らに対して礼儀を欠いたり、無礼を働いたりすると、厳しく罰を与えることもあります。
シーリー・コートの妖精たちは、時折人間を助け、豊穣や幸運をもたらす存在として伝えられています。
象徴: 善意、秩序、儀礼。
役割: 特徴: 善良な妖精たちの集団。
人間を助けることが多いが、礼儀を欠く者には罰を与える。
5. アンシーリー・コート (Unseelie Court)
シーリー・コートとは対照的に、アンシーリー・コートは邪悪な妖精たちの集団です。
彼らは人間に害を及ぼし、恐怖を与えることを楽しみます。
特に、夜や冬の時期にその活動が活発になるとされ、霧や嵐を引き起こすとも言われています。
アンシーリー・コートの妖精たちは、時に人間をさらったり、悪夢を見せたりするなどの危害を加える存在と考えられています。
象徴: 悪意、混沌、恐怖。
役割・特徴: 邪悪な妖精たちの集団。
人間に危害を加えることが多い。暗闇や冬の象徴。
北欧神話由来の妖精たち
1. エルフ (Elf)
北欧神話では、「アルヴ」と呼ばれ、光のエルフ(リョースアルヴ)と闇のエルフ(ドッケアルヴ)に分類されます。
光のエルフは美しく、自然の守護者として神々とも関係を持つ存在です。
一方、闇のエルフは地下世界に住み、影に潜んで時には人間に害を与えることもあります。
中世以降、エルフは妖精のような存在として語られることが増え、特にヨーロッパの伝説では、美しい人間の姿をした魔法使いのように描かれることが多くなりました。
象徴: 知恵、美、魔法。
役割・特徴: 北欧神話では「アルヴ」と呼ばれ、光のエルフと闇のエルフに分かれる。
光のエルフは美しく善良で、自然を守護する存在。
闇のエルフは地下に住み、時に人間に害を与える。
2. ニッセ (Nisse)
ニッセは北欧の家庭や農場を守る妖精です。
赤い帽子をかぶり、小さな体を持つ彼らは、家族がよく世話をしてくれると喜び、家の仕事を助けてくれると伝えられています。
しかし、彼らを粗末に扱ったり、食事を与えなかったりすると、怒って悪戯をしたり、家を去ってしまうこともあります。
特にクリスマスの時期には、ニッセにミルクやおかゆを捧げる風習が北欧の家庭に残っています。
象徴: 家庭、労働、守護。
役割: 特徴: 農場や家を守る小さな妖精。赤い帽子をかぶり、働き者。
人間に親切にされると恩返しをする。
粗末に扱われると怒りを爆発させる
イギリスの伝承に登場する妖精たち
1.ブラウニー (Brownie)
ブラウニーが住みついた家には幸福が訪れるという伝説があります。家の聖霊の一種で人型の妖精。家事や手伝いを好む働きもので、夜になると活動を開始する妖精です。柔和で時にいたずら好きですが、気に入った家のためには一生懸命働くとのことです。
役割・特徴: 家事を手伝う妖精。夜中に人間の家を訪れ、掃除や修理をこっそり行う。お礼に牛乳やパンをあげると喜ぶが、報酬を期待してはいけない。
象徴: 労働、奉仕、謙虚さ。
2.ボギー (Bogey)
イギリスに住むという悪戯好きの妖精です。色々と人間にちょっかいを出し、時には痛い目に合わせたりすると言われています。幽霊のようで決まった形がないとされているそうです。人間の後頭部に浮かんでいるとも言われています。
役割・特徴: いたずら好きな妖精。
子どもを驚かせたり、家庭で小さな混乱を引き起こす。
象徴: 恐怖、いたずら。
3.ポック (Puck)
イギリスの妖精で、地方によっては、ポーク、プーク、バックル、バグとも呼ばれています。変身能力があり様々な形で現れるとも。半人半獣の牧畜の神ファウヌスのように、ヤギの脚を持つものとして描かれるようです。しばしば、人間を困らせたり、貧乏人、弱者、恋人たちの利益を図る面があると信じられています。
役割・特徴: 森の精霊。
シェイクスピアの『夏の夜の夢』で有名。
悪戯好きだが、主人に忠実。
物語を面白くする役割を持つ。
象徴: ユーモア、混乱、自由。
ギリシャ神話由来の妖精たち
1. ナイアード (Naiad)
ナイアードは川や泉を司る水の妖精です。
美しい女性の姿をしており、清らかな水源を守るとされています。
彼女たちは水と生命のつながりを象徴し、人間の目には見えない形で泉や川を見守っています。
人間の病を癒す力があり、彼女たちのいる泉や河の水を飲むことでその力が発揮されるとのことです。
ナイアースのいる水に入ることは冒涜とされており、侵犯者は病になり、また狂気に陥ちるとも言われています。
古代ギリシャでは、ナイアードを祀るために聖なる泉が建てられることもありました。
象徴: 水、生命、癒し。
役割・特徴: 水と生命のつながりの象徴。泉谷川を見守る
2. ドライアード (Dryad)
ドライアードは森や樹木に宿る妖精です。
特にオークの木と深く結びついていることが多く、森の守護者として描かれます。彼女たちは人間と関わることは少ないですが、森を傷つける者には怒りを向けると言われています。
ドライアードの存在は、自然と人間の調和を保つ重要なメッセージを持っていると考えられています。
象徴: 森、成長、守護
役割・特徴: 森を守り自然と人間の調和を保つ
その他の妖精たち
1. シルフ (Sylph)
シルフは空気や風を司る清らかな妖精で、姿形は、人間に似ていて、掌に乗るような小さな個体から、人間の子供の大きさと同じくらいの個体まで様々だと言われています。
風を司るとされたており、空気の要素を持つ目に見えない精霊とされています。
が、その姿を表すと、ほっそりとした優美な人間の少女に似ているとのことです。
彼らは自由を象徴し、時に芸術家や詩人にインスピレーションを与える存在とも言われます。
風の流れを操り、大気のバランスを保つ力を持つとされています。
象徴: 風、自由、創造力
役割・特徴: 空気やかぜを司り、自由を守る
「テンペスト」の風の精霊(William Hamilton、18世紀
2.バンシー (Banshee)
アイルランドやスコットランドに伝わる女の妖精で。死が近いことを予想して家の前ですすり泣く。
アイルランドでは、美少女とされていて、スコットランドでは、老婆とされている。
役割・特徴: アイルランドの妖精。
死の前兆を告げる存在。
悲しげな歌声で人間に警告を与える。
象徴: 死、運命、予兆。
3.レプラコーン (Leprechaun)
アイルランドに伝わる妖精で靴職人として知られています。
片方の靴だけを永遠と作っているとされ、地中の宝物のことを知っており、うまく捕まえると黄金のありかを教えてくれるという伝説です。
役割・特徴: 金貨を隠すいたずら好きな妖精。緑の服と帽子を身に着ける小柄な存在。賢く狡猾で、人間を手玉に取ることもある。
象徴: 富、知恵、幸運。
妖精たちは単なる伝説の存在ではなく、各文化に根付いた神秘的な存在です。
妖精たちはそれぞれの伝承や地域でさまざまな姿を持ち、人々の生活や文化に深く影響を与えてきました。
どの妖精にも、その土地ならではの物語が隠されています。
それぞれの妖精が持つ役割や特性は、私たちの生活や自然との関わりに深い意味を与えてくれるものです。
妖精の存在が、人間の行動の進歩や抑制に制御をかける存在として言い伝えが機能しているのでしょう。それぞれの国や地域で、物語や昔話や伝承物を通して語り継がれてきています。